ポキとフリークスと人間と・・・

何処に行っても同じか・・・。
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | -
『花とアリス』
花とアリス 通常版
花とアリス
鈴木杏



監督 岩井俊二
2004年 日本


 …をようやく観た。何故今頃わたくしがこの映画のレビューを書くことになったのだろうか?よくわからん(*´∇`*)この映画はわたくしの高校卒業の時期に公開された映画である。タイミングがタイミングだけに、リアルタイムで観ることができたらさらに深く印象を残すことができたと思う(οωο;)ノ あれからもう3年も経ったのかと、遠い目をしながら回想しているポキ。今になってようやく観ることができた。別に敢えてここまで観るのを引き伸ばしたというわけでもないし、今みることに意味はないのだが、明らかに観るタイミングを間違ったとは思う。ちなみに岩井俊二は高校の時から大好きな監督で、わたくしが全ての作品をチェックしたことのある数少ない監督でもある。
 岩井俊二の作品は基本的に“雰囲気”重視である。彼の作品を一瞬でも見ればわかるのだが、独特の光の取り入れ方、微妙な影の効果、カメラワーク、BGMなど、映画中の場の雰囲気は強烈な印象を残す。しかし、緻密なストーリーの構築という点では明らかに劣っている。彼の作品の中には無駄なシーンはかなり多い。故に岩井俊二の本領が発揮されるのは『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』『PiCNiC』『四月物語』などの短編/中編映画であって、『スワロウテイル』『リリィ・シュシュの全て』『花とアリス』などの長編はまとまりに欠けるという印象を抱かせる。明らかにそれは監督の意思によるものだと思う。本来なら映画製作時に最も恐れる冗長を、彼はわざとらしいほどに取り入れ、そこにも気を抜くことはしない。その冗長には、“映画の登場人物が本来生活している、そのところの姿”を描き出すために、敢えて映画としての一貫性を犠牲にしていると思われる。故に物語を進める視点は次々と移転し、中心に据えるべき視点から大きく逸脱する。時に小津安二郎のような定点カメラでその場全体を映し、時に手振れで画面が激しく揺れる“登場人物の視点”による映像に切り替わる。このように、各登場人物は見る主体と見られる客体の間を行き来し、観るものに心地よい混乱を与える。
 よく岩井俊二作品の中に登場する設定が、二重の映像とでも言うか、映像の中の映像である。この設定は先程述べた“視点が変化する”という意味も持つが、今回の場合は写真として表れる。花とアリスが所属するバレー教室の練習風景を収めた数多くの写真が文化祭で掲示されているのだが、まず写真撮影時は2人の友達のカメラを通しての視点で物語りは進んでいき、彼女たちを撮影する。そして文化祭の場面では、展覧会で視点は花に移り、自らが写っている写真を見るのである。このように、一つの視点の中から新たな別の視点が現れ、それらが互いに見つめ合うなどといったような構図が浮かび上がってくる。よくわからんが、岩井俊二はこんなことするのが好きなのかと。
 そして、やはりBGMが秀逸だった。これは全て岩井俊二自身が作曲した曲らしい。ピアノを中心に据えたシンプルで感傷的な旋律の上をチェロや数々のストリングスが滑らかに流れる、というような構成はまさにSylvain Chauveau。またはMax Richter、Rachel'sのアルバム『Music for Egon Schiele』を髣髴とさせるピアノアンビエント。彼らの音源と比べたら若干映画音楽に徹している印象はもちろんあるが、それ自身で、良質でポップなチェンバー・ミュージックとして聴くことができる(*´∇`*)それにしても、映画のサントラにおいて“監督買い”できるのはわたくしにとって岩井俊二とヴィム・ヴェンダース以外にはいない。岩井俊二作品においては音楽の担う役割は非常に大きく、映像とともに彼の特徴のひとつになっている。Yen Town BandやLily Chou-Chouもそうだった(コバヤシタケシか…死 )映像と同じく瑞々しい音楽が、絶妙な雰囲気を演出するのだポキ。
 他に特徴的なことを挙げるとしたら、彼独自の天候の感覚か。陽の光の取り入れ方は非常に柔らかく穏やかで、逆光や微妙に霞んだ映像を好むのだが、雨を降らすときは常に豪雨という演出が、監督独自のこだわりを反映している。あと、基本的にカメラワークがエロい。


・ストーリー
好きな先輩に記憶喪失であることを押し付けた花と、先輩に父親との思い出を重ねてしまうアリスの物語。おそらく、このキャスト、このスタッフで製作されていなかったらただのむかつく物語だったと思う。ただ自分の欲望を先輩に投影してるだけの映画だから(死)

 これは鈴木杏と蒼井優の2人が主人公であるから、女の子目線で綴られる物語かと思っていたが、これは明らかに男側の妄想である。というか岩井俊二の妄想。そのあたりの話をすると、本当に虚しくなってくるしへこんでくるのでもうやめようではないか(δεδ)
 『花とアリス』をみてから無性にRachel'sのそのアルバムを聴きたくなり、家で聴いてみる。このアルバムは春が来る度に聴きたくなるだろう。これからもずっと。もはやギャグにしか見えない外大の風景ですら、何処か何かが淡く光っているような印象を抱かせる。妄想だけど。でもそれも長くは続くこともない。




オリジナルサウンドトラック H&A
オリジナルサウンドトラック H&A
オムニバス



ポキ評価
★★★☆☆
何かが怖い…。


12:09 | 映画 | comments(2) | trackbacks(0)
最近、よく
何もすることがないから、最近、よく見る夢の話でもしよう(゜з゜)暇だし。



わたくしの身体にはまず、骨と皮がある。骨とその周囲を取り巻く皮との間には軟骨状の細い柱があって、ある程度の輪郭を留めている。でもそのままでは体内はスカスカなので、肉体となるミンチ状の“何か”を皮の隙間から詰め込む。難しいのは腕で、指先までミンチ状の物質を詰め込まなくてはならないから、もう片方の腕でギュッギュッと押し込まなくてはならない。で、押し込みすぎると指先に肉が過剰に入るから、皮を上向きに引っ張って形を整えなくてはならない。しかしあまり強く引っ張ると、皮がシワにそってパクッと破けて、中に入ってるミンチ上の物質がぬ〜っと顔を出す。そしてヤン・シュヴァンクマイエルのアニメーションに出てくるようなぬめっとした感覚の舌が一人で這い出し、はみ出た肉体を下品な音を立てながら食べていく。それをきっかけとして皮や肉体、骨などが自らの意思で制御できないほどに独自の運動を始めて(これもシュヴァンクマイエルのアニメみたいに)、崩壊していく。という話。最近、頻繁にこんな夢を見る(*´∇`*)それだけの話。




エトワール デラックス版
エトワール デラックス版



最近この映画を見た。舞台の上で生きることを選んだ人々のドキュメンタリー映画。劇場、舞台裏、稽古場のあの感じがたまらなく好き。幼稚園〜小学校のときはよくバレーに通ったものだった。

13:24 | 映画 | comments(2) | trackbacks(0)
Innocence(原題)
エコール
エコール
ゾエ・オークレール


今日、DVDが発売になるそうで。久しぶりにDVDを買ってみようと思った。
映画館で観たかったけど、公開が観に行こうと思った日の前日までだったのでその分ショックも大きかった(死)解説を少し読んでみたところ、『ピクニック at ハンギング・ロック』を髣髴とさせる映画だという印象を受けた。後味が悪く、閉ざされた雰囲気が似ているのかも。


吉田良、陽月などが手がけた球体関節人形による写真集版『エコール』も非常に印象的だった。ヤン・シュヴァンクマイエルみたいに、ものを構成している諸要素は極めて無機的で温かみを持たないのに、妙に生々しく、彼らの視線は生き生きとしている。そのような微妙な気持ち悪さに満ちている写真集。




明日語科懇らしい。次に入ってくる新入生はThe Brilliant Greenに間に合った世代だろうか??太陽とシスコムーンに間に合った世代だろうか??







13:19 | 映画 | comments(4) | trackbacks(1)